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2020年01月

view「迷わないで」 サラッとレビュー【FIELD OF VIEW 25周年記念全シングルレビュー】

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view「迷わないで」(1994)

迷わないで
View
1994-08-10

爽やか白服なview時代の2枚目にしてラストシングル。チバビジョンコンタクトレンズCMソング・テレビ朝日系「目撃!ドキュン」エンディングテーマ。オリコン圏外。

view時代で最もFIELD OF VIEWに近い一曲はこの曲だろう。前作よりも幾分か伸びやかになった歌声、大きく開けるサビ、素直な恋心を綴った歌詞、ずっしりと響くドラム…制作陣こそ異なるが、1年後の「突然」に繋がる可能性を感じられる晴れやかなサマーソングだ。タイアップさえもう少し強ければ前作より売れたのでは…?

前作と異なり、この曲はFOVの1stアルバム「FIELD OF VIEW Ⅰ」に収録された。ボーカルの再録とミックス変更がなされているためviewのシングルバージョンとは異なる(FOV版はやっぱり声が伸びやか)が、viewのシングルバージョンも'07年の「BEST OF BEST 1000 FIELD OF VIEW」に収録されている。どちらもブックオフ等に安価で投げ売られているので興味があればぜひ。

この曲も25周年のベストには収録されるのだろうか?前作と共にもう1パターン増えるのか注目だ。PVの存在もショートサイズではあるものの確認されているのでそちらもDVDに収録してほしいところ。

↓viewバージョン

↓FOVバージョン


・楽曲情報

view「迷わないで」

作詞:浅岡雄也
作曲:多々納好夫
編曲:池田大介

・アルバム収録

FIELD OF VIEWとして国内リリースされたアルバムのみ記載

viewバージョン
BEST OF BEST 1000 FIELD OF VIEW (2007)
FIELD OF VIEW BEST HITS (2013)

FOVバージョン
FIELD OF VIEW Ⅰ (1995)
SINGLES COLLECTION+4 (1997)
complete of FIELD OF VIEW atthe BEING studio (2003)


・FOV25周年記念公式イベント情報



・FIELD OF VIEW 25周年記念全シングルレビュー

前作はこちら↓


次作はこちら↓

view「あの時の中で僕らは」 サラッとレビュー【FIELD OF VIEW 25周年記念全シングルレビュー】

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どうもdeamuです。

前回のブログを見てくださった皆様、ありがとうございました。おかげさまで前回当ブログ最高記録と書いたWANDSの記事の記録を大幅更新しています。まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ↓

「FOVのベスト盤リリースとそれに伴う周年ライブ」であり「再結成」ではないとのことなので、念のため。紛らわしく伝えてしまったことを改めてお詫び致します。

この記事が好評だったので、本日から2日に1曲の頻度でFIELD OF VIEWのシングル曲をレビュー(という名の受験期間の繋ぎ)していきたいと思います!



view「あの時の中で僕らは」(1994)

ジャケットの爽やかな白服が印象的な、viewのデビューシングル。セブンイレブンのCMソング。オリコン最高位97位。

今でこそコンビニ業界最大手として全国各地に出店するセブンイレブンだが、この曲が世に放たれた'94年段階では今ほど全国区ではなく愛知県にも無かった('03年から出店)。そのためどれほどの地域でCMが流れたのか今一つ分からない…。浅岡さん曰く店内ではよく流れていたそうだ。

ノスタルジーなバラード。私がFOVサウンドの特徴だと捉えているドラムの存在感はこの時点で強く(とはいってもFOVほどではないが)、サウンド面でFOVへと繋がっていく片鱗は既に見受けられる。

しかしこの曲のFOVとの違いは浅岡さんの歌声。一つ一つの語尾を短く切っているせいでどっしり構えたアレンジの魅力を打ち消してしまっているように感じる。あのFOVの伸びやかな歌声になるまで1年少々、次のシングル以降から計算するとたった9ヶ月。そこにどれほどの努力を要したのだろう…と考えてしまう。FOVの魅力はサウンドだけでなくあの歌声含めてのものなのだと改めて感じられた一曲。

なお、この曲はFIELD OF VIEWとしてデビューして以降、「SINGLES COLLECTION+4」と「at the BEING studio」の2回、アルバムに収録されている。ボーカルが録り直されており、あの馴染み深い伸びやかな歌声になっている。「SINGLES COLLECTION+4」のものが一番語尾を伸ばしているが、程よい「at the BEING studio」のものが個人的には一番好き。やっぱりこの歌声の方が説得力あるなぁ。

今度の25周年ベストには収録されるのか否か、収録されるならば浅岡さんの告知にあった通りmix変更がなされる筈なのでもう一つバージョンが増えることになるが…。FOV起点の25周年だから望みは薄いか。

↓「at the BEING studio」版


・楽曲情報

view「あの時の中で僕らは」

作詞・作曲:浅岡雄也
編曲:池田大介

・アルバム収録

viewバージョン
未収録

FOVバージョン①(語尾伸ばし幅1位)
SINGLES COLLECTION+4 (1997)

FOVバージョン②(語尾伸ばし幅2位)
complete of FIELD OF VIEW at the BEING studio (2003)
FIELD OF VIEW BEST HITS (2013)


・FOV25周年記念公式イベント情報



・FIELD OF VIEW 25周年記念全シングルレビュー

次作はこちら↓

WANDSに続いてFIELD OF VIEWも復活するってよ

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どうもdeamuです。

昨年11月、WANDSの再結成発表日に書いたブログが当ブログ史上最高に伸びています。この記事の執筆時現在Googleで「WANDS 5期」と検索するとまさかの1ページ目見てくださった皆様、本当にありがとうございます。まだご覧になっていない方はこちらからどうぞ↓


5期WANDSといえば、新曲「真っ赤なLip」のMVが公開されています。

いやぁ、素晴らしい。めちゃめちゃ格好いい。
サビメロやギター、キーボードの音の混ざり方は本来のWANDSそのもの。でも現代的なエッセンスが練り込まれているから良い意味で「往年のバンド大復活!」という感じが無い。

少し現代的にしすぎても違うし、過去曲をなぞるだけでも「古臭い」と取られかねない。このバランス、実はとても難しいはず。5期WANDS、見事に「進化」していて感動しました。

新ボーカル上原さんの声も活きています。声の色気は上杉さんに負けていないのでは?
とにかくこの5期体制でこれから発表されるであろう曲が楽しみですね~。新曲のCDも注文済み。応援しています。



…で、そんな感じでWANDS5期やジャニーズのSnow Man、先日ブログにレビューを上げたダニーバグなどに熱を上げていたところ、またまた衝撃的な朗報が!受験前だってのに!!どうしてくれるんだ!!!(知らねぇよ

FIELD OF VIEW、25周年記念アルバム発売&25周年記念ライブ決定!!

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浅岡さん本人の口から「復活はない」と言われていたFOVが、ですよ。しっかり復活しとるやないですか(笑)ありがとうございますほんとに…

まあ書き方を見るに一時的なもののようですが…それでも嬉しい限り。

まず25周年企画の詳細をまとめると、

①25周年記念アルバム発売決定

・CD全30曲+DVD全40曲収録
・CD収録予定のシングル曲はシングルとは別mix、その他未発表曲・新曲を5曲収録予定
・DVDには未発表映像あり
・特典付き

②25周年記念ライブを開催

・Being主催
・2020年5月15日(デビュー日)・16日に大阪 江坂MUSE
・2020年5月23日・24日に東京 新宿Reny

③25周年記念公式アカウント開設

・Instagram→@fov25th_insta

※①・②については予定が変更になる場合があります。

ざっとこんな感じでございます。

2020年、お陰さまでビーイングファン・90年代ファンの私にとっては既にたまらない年になっております。いやぁ良い一年だった。良いお年を!(

…冗談はさておき、FOVも一時復活ということで、WANDS同様一ファンの私が存じ上げる範囲でFIELD OF VIEWの歴史を振り返ってみようではありませんか。知っている方も、今回の発表で新たに気になった方(いるのか…)も見ていってくださいな。


・そもそもFIELD OF VIEWって

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メンバー
浅岡雄也(ボーカル)
小田孝(ギター)
小橋琢人(ドラム)
新津健二(ベース・1996年加入)
安部潤(キーボード・1995年脱退)
主に1990年代に活動したポップロックバンド。
代表曲にポカリスエットCMソングの「突然」、アニメドラゴンボールGTのOP「DAN DAN 心魅かれてく」、ドラマ主題歌に起用された「君がいたから」、アニメ遊戯王のOP「渇いた叫び」など。2002年に解散しました。

私事ですが、このブログを書いている私が2001年生まれなので解散したのが1歳のとき。2012年の一時復活時はまだFOVにハマる前だったので今回初めて活動を見るチャンスができたのです。嬉しい。


・デビューまでの経緯

FIELD OF VIEWのメンバーは他の多くのビーイング系バンド同様デビュー以前は各自別の場所で活動していました。

浅岡さんはヴィジュアル系バンドMissing Peace、PANDORAのボーカリストとして活動。PANDORAはメジャーデビューもしています。

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↑Missing Peace時代の浅岡さん

また、安部さんはFOV(view)結成以前からアレンジャーとしてキャリアを積んでいました。

1993年にFIELD OF VIEWの前身・viewが結成され、年デビュー。シングル2枚をリリースしています。



しかし、view名義で発表した2曲はタイアップがあったもののあまり売れず。そこでラフな白服からシックなスーツ姿へとイメージチェンジ。1995年5月15日、FIELD OF VIEWとして「君がいたから」で再デビューします。


同曲はドラマ「輝く季節の中で」の主題歌に起用され、90万枚の大ヒット。テレビにも多数出演するようになり、見事ブレイクしました。


・FIELD OF VIEWとしての大活躍、そしてレコード会社移籍

95年7月にはFOVとして2枚目のシングル「突然」を発表。


同曲もポカリスエットのCMソングとして120万枚の特大ヒット!FOVの代表曲として現在も語り継がれています。

順調に見えたバンド活動でしたが、11月発表の3枚目のシングル「Last Good-bye」をもってキーボードの安部がアレンジャー活動に専念するために脱退してしまいます。


そのまま3人体制で1996年を迎え、アニメ「ドラゴンボールGT」の主題歌として書き下ろした「DAN DAN 心魅かれてく」を発表。


直後にはベースの新津が加入。勢いそのままに「ドキッ」「Dreams」「この街で君と暮らしたい」と、新たな楽曲を次々と発表していきました。




1998年には新たに設立されたコロムビアのビーイング専門レーベルBeat reCにBAAD、PAMELAHと共に移籍。移籍第1弾シングルとなった「渇いた叫び」はアニメ「遊☆戯☆王」の主題歌に起用されました。


以降は地道な活動となったものの、数多くの名曲を残しました。個人的にはこの期間だと「めぐる季節を越えて」「Truth of Love」は全盛期に勝るとも劣らぬ良曲だと思っています。




・二度目のレコード会社移籍と改名、そして解散

2001年、Beat reCのレーベル解体に伴い古巣のZAIN RECORDSにレコード会社を再移籍し、バンド名もthe FIELD OF VIEWに変更しました。


以降1年間活動したのち、2002年に解散を発表。ラストシングル「Melody」とベストアルバムを残してFIELD OF VIEWは8年間の活動に幕を下ろしました。



・解散後メンバーはどうしているのか?

・浅岡雄也

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解散直後の2003年からソロ活動を開始、以降現在までコンスタントに新曲発表・ライブ開催して精力的に活動しています。ちなみにソロデビューシングルは特撮ドラマ「超星神グランセイザー」の主題歌「Life goes on」。私の世代ならご存知の方もそれなりにいらっしゃるのでは?


また、5年前に「有吉反省会」に出演し、それ以降はSNSで見せる腹黒い一面も話題になっています(笑)

↓ソロ最新曲「君の翼で」

関連リンク


・小田孝

解散後はビーイングを離れ、大手芸能事務所研音のディレクターとして星村麻衣や絢香などを担当していました。しかし現在の状況については私の判る範囲では情報を掴めませんでした。2012年の一時再結成時もメンバー5人中唯一全公演に姿を見せていません。


・小橋琢人

解散後もビーイングに在籍。2015年まで開校していたBeing Music Schoolでドラムの講師を担当していた他、スタジオミュージシャン、サポートドラマーとして今も活動を続けています。2012年の一時再結成時や浅岡さんの20周年ライブでもドラマーとして参加しているほか、今回の25周年ライブでも大阪には参加が確定しています。
2020/01/27訂正 私の勘違いで25周年ライブへの参加は未定のようです。大変失礼致しました。


・安部潤

脱退後、アレンジャーとしてのキャリアを着実に積み上げていき、CHEMISTRY、NEWS、KinKi Kids、嵐、タッキー&翼、渡り廊下走り隊、広瀬香美などの人気アーティストを担当。
FOVとしては、2002年の解散ライブラストステージに参加した他、2012年の一時再結成時にも一部のライブで参加しています。

関連リンク


・新津健二

解散後もビーイングに在籍。サポートベーシスト、スタジオミュージシャンとしての活動の他、現在はDAIGOがボーカルを務めるBREAKERZのマネージャー兼ディレクターを務めています。2010年の浅岡さん15周年記念ライブで最後に花束を持ってサプライズ登場した他、2012年の一時再結成時には一部のライブでベーシストとして参加。


・2012年、期間限定再結成

2012年に開催されたBEING LEGEND ツアー。

90年代を駆け抜けたバンドが集い、熱唱しました。FIELD OF VIEWもこの時は期間限定で再結成。固定メンバーは浅岡さん一人ながら、小田さんを除く各メンバーがいずれかの公演に参加しています。



ということで、このような状況から今回の復活に至ったということです。期間限定復活は8年ぶり。

ビーイング系の復活ラッシュ、改めて凄まじいですね。ZYYGに始まり、rumania montevideo、WANDS、そして今回のFIELD OF VIEW。これはPAMELAHやMANISHの復活も少し期待しちゃいますよ…!

あとこうなったら上に挙げたほか現在活動している面子で2012年以来のBEING LEGENDツアー開催してほしいですね~。ビーイングの関係者様、このブログを見てくださっていたら是非ご検討を🙄
あとサブスクリプション進出もどうか、よろしくお願いします(見てない)

以上、受験期間中なのにブログ執筆意欲が増す一方のdeamuでした。次回は知らん!





2020/01/27 17:30 追記

浅岡さんからTwitter上で引用RTを頂きました。ありがとうございます!

そこで情報に一部差異があるとの指摘を受けましたので、私なりに該当する、或いは紛らわしいと感じた箇所を訂正しました。失礼致しました。(18:00追記 小橋さんのくだりが具体的な誤りのようです。重ねてお詫び致します。)

また、今出ている情報や今後発表される情報につきましては浅岡さんの公式ホームページ・公式note、FOV25周年記念Facebookのものが当ブログよりも正確ですので(当たり前)、詳しいことはそちらをチェックしてください。よろしくお願い致します。

浅岡さん曰く、現在詰めの最中とのことです。掲載された情報全てが叶えられる訳でもないそうですが…続報を楽しみに待ちましょう!

リンク(再掲)
公式HP→http://uyax.jp/

それでは。



2020/02/15 01:30 追記

FIELD OF VIEWの25周年記念公式サイトがオープンしました。

今後はこちらのページでも情報が発信されるものと思われるので、詳しいことはこちらや上記リンクをチェックしてください。FOV25周年、楽しみましょう!



サブスクで配信されている隠れ名盤特集 Part1

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どうもdeamuです。

最近音楽業界を賑わせているのがサブスクリプション、通称サブスク
音楽においては、一月毎に一定の額を支払うことで配信されている楽曲・アルバムが聴き放題になります。サービスの一例としてはSpotify、Apple Music、LINE MUSIC、AWA、amazon musicなど。

日本においては元々は参加アーティストが少なかったのですが、ここ1、2年でMr.Children、スピッツ、松任谷由実、小田和正、L'Arc~en~Ciel、嵐、buck number、星野源、サザンオールスターズなどの大物アーティストが続々参入し話題を集めています。

好きなアーティストのどんな曲でもまとめて聴けたり、新曲を大量にチェックしたり、新たな歌手を開拓したり…サブスクの登場によって、従来のレンタルや中古購入ではなかなかできない音楽の聴き方が容易にできるようになりました。

そんなサブスクにも個人的には大きな欠点があります。それが…


売れなかった過去の歌手には相変わらずスポット当たらない!


これです。ナウで駆け出し中、売り出し中のアーティストをサブスク使って漁りまくっている人はネット上でも多く見かける上に、そういう歌手はメディアで陽の目を見るチャンスだってあるのに、売れないまま既に解散した歌手をサブスクで漁っている人ってあまり見かけない気がするんですよね(漁っとるわアホウって人ごめんなさい)。

この状況では先人たちがあまりにも不憫なので…今回は完全に主観で過去の歌手の隠れた名盤にスポットを当てて再評価して参りたいと思います。

対象とする条件は以下の通り。

①CDでミリオンを売った曲・アルバムが0
②アーティストお気に入り登録数が1,000以下
③該当アルバムのお気に入り登録数が1,000以下
④既に一度は解散・活動休止・引退・インディーズに戻る、のいずれかを経験している

私はLINE MUSICを利用しているのでそちらを参考にします。上記4つの条件に当てはまる個人的名盤を紹介して参ります。今回は1990年代から3枚。90年代というとCDが売れに売れた時期ですが…隠れ名盤、たくさんあります。




MOON CHILD「POP AND DECADENCE」(1999)

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当時のポストミ○チル最右翼が解散間際にドロップしたド変態アルバム

MOON CHILDといえば'97年に「ESCAPE」をヒットさせた4人組バンド。同曲同年発売のは2nd「MY LITTLE RED BOOK」に収録されいるが、こちらは'99年1月発売の3rdアルバム。発売翌日に解散を発表、同年内に解散している。

ESCAPEや以降2シングルの「ポストミ○チル」とも目されたストレートなポップ性から一転、バンドとしての触れ幅の大きさ、多彩さを見事に発揮した一枚

吹っ切れたのだろうか?ストレートな曲こそ減ってしまったものの、演奏の巧みさ、楽曲としての美しさは格段に上がっている。特に「requiem for the man of nomad」の演奏の躍動感、「グロリア」の癖になるリズム。この辺りはたまらない。
全体として過去作以上に癖の強さを感じるため聴く側にもそれなりの覚悟がいる一作だが、その変態じみた魅力に一度取り憑かれたら…あなたはもう帰ってこられないだろう

「ESCAPE」から解き放たれた、良い意味で自由奔放な名盤だ。
15曲の長い旅の果て、名曲「STAR TOURS」に辿り着くと見える不思議な景色をあなたも一度、ぜひ。

POP&DECADENCE
MOON CHILD
1999-01-27



POP & DECADENCE
2012-08-03





ザ・カスタネッツ「MARKET」(1998)

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素朴ながら心に強く訴えかけてくる、歌声、演奏、リリックの魅力

'95年デビューの4人組バンド。アンティノスレコーズということでレーベルメイトにはT.M.Revolution西川がいる。現在はインディーズで活動中。

私が今までチェックしてきた中でこのバンド以上に技術だけで評価してはならないバンドは存在しないと断言できる。私自身が他者を技術で評価できるほどなのかは別問題だが…。いずれにせよ、このバンドは歌声、演奏どちらも上手いか下手かを超越する魅力に溢れている。

Vo.牧野の暖かさ、優しさ、切なさ、寂しさ…そんな感情を全て詰め込んだような歌声は天下一品。昨今カラオケ的な歌うまが持て囃される風潮を感じるが、そんなものを簡単に吹き飛ばしてしまうのではないか?と思えるくらい、人の心に真っ直ぐに響いてくるであろう、心からの歌声なのだ。

あまり派手に着飾らない素朴な演奏が、メロディーの良さをより引き出している。そこに上記のような牧野の歌声が合わさると、もう鬼に金棒。

牧野は情景が浮かぶソングライティングも天才的。メロディーに自然に当てはまっている上に詩的だから美しい。英語を使わずに日本語一本で勝負している点も尊敬したい。

テクニックだけが音楽じゃない。テクニックを貶す気など毛頭ないが、本当に凄い音楽というものはどれだけ素朴でも心に強く訴えかけてくるのものなのではないだろうか。あるいは、技術的なことをしていても"テクニック"という形で現れないのかもしれない。カスタネッツを聴くと、いつもそう感じるのだ。

アルバムの話題から逸れてしまったが、このアルバムのMVPはド頭の「ムーンパレス」。春の初め、一人暮らしを始めた男の様を文学的に描き、歌っている。これからの季節にピッタリの傑作だ。
7曲入りのミニアルバムだが、捨て曲はゼロ。初めて聴いたあの日から、最初から最後まで何度も何度も聴いてしまう…素朴ながら強いパワーを秘めたアルバムである。


このアルバムのサブスク解禁はソニーの「DISCOVER the 90's」という配信対象の企画で行われた。ザ・カスタネッツは第2弾アーティスト。現在までに第4弾まで展開されている。こちらも要チェックだ。

discover90s_logo

MARKET
ザ・カスタネッツ
1998-05-20


MARKET
2019-10-25



相馬裕子「愛が教えてくれたもの」(1994)

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美しい旋律と可愛らしく丁寧な歌声が、「普通」を褒め言葉に変える

'91年デビューの女性歌手。1990年代、密かにファンを付けていた「ガールポップ」ムーブメントの中の一人。'96年に「星に願いを」を小ヒットさせているが、本作はそれより前の'94年発売のアルバム。現在は公式サイトこそ残っているが音楽活動自体はほぼ停止状態だ。

普遍的な良曲が大量生産されたガールポップムーブメントの中でも、彼女の曲は一際「普通」。とびきり元気!というタイプではないし、暗さや強さを打ち出し独特な個性をアピールするタイプでもない。

しかし、美しいメロディーライン、普遍的ながらよく練られているアレンジ、そして相馬自身の可憐さを含んだ丁寧な歌声が見事に合致して、輝きを放っている。Aメロ、Bメロ、サビの展開がきっちりとしていながら陳腐に感じない点がまた、ポップ畑の人間としてはたまらないのだ。「普通」という言葉も、彼女の作品の前では褒め言葉に一変してしまう。聴いているうちに、控え目ながら確かに持っている輝きにどんどん惹かれていく名盤だ。

愛が教えてくれたもの
相馬裕子
1994-04-01



今回の隠れた名盤紹介は以上です。気になった作品はございましたか?今回紹介したアルバムは大半のサブスクリプションで配信されているはずなので、ぜひ一度聴いてみてください。既に知っていたという方も、この機会にもう一度聴き直してみてはいかがでしょうか。

この企画はまだまだ続きます。次回をお楽しみに!





【2020年代最初の名盤】ダニーバグ「わかってたまるか」サラッとレビュー

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どうもdeamuです。夜中に欅坂の記事を書いてみたら執筆意欲が湧いてきたので今回はこちらのアルバムをサラッとレビュー。


ダニーバグ「わかってたまるか」(2020)

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収録曲
1.退屈ハイウェイ
2.明日がやってくる
3.雨の日の少年
4.ぼくらのゲーム
5.my list


"2020年代最初にして最強の名盤、ここに誕生"


2016年結成、「遅すぎた反抗期」を謳うロックバンドの初の1st EP。配信では1月15日に解禁したばかりの新譜だ。

昨年末に先行配信されていた「退屈ハイウェイ」一部フォロワーの間で話題になっていて耳にしたことが彼らとの出逢いだった。


切迫感があり、でも決して五月蝿くないサウンドと、激しさと繊細さが共存したようなボーカル(ややタイプは違うけれども)、それから世知辛さを歌いつつも前向きに纏める歌詞から、古い曲になるがshame「LOSERS」という曲をふと思い出したりして、かなり好感触だった。


そうして注目している中でのMV公開、そしてアルバムリリースとなった。


まず驚いたのが、楽曲バリエーションの幅広さ。個人的には、メジャー進出しているロックバンドでも曲をワンパターンに感じてしまう事例がそこそこあるのだが、このバンドにはそのようなことが全くない。基本的なコンセプトは揃えつつも(ここ重要)、5曲それぞれで見せる色が異なるのだ。これがインディーズ1stだというのだから畏れ入る。

「退屈ハイウェイ」のほか、MVも作られた「雨の日の少年」、アルバムラストを飾るロックバラード「my list」は出色の出来。
この5曲に私の好きなロックバンドの全てが詰め込まれている、そう言っても過言ではないほどにこの5曲は一つ一つが魅力的、オールスターなのだ。
御託を並べるよりも全曲YouTubeにあるのでとにかくまず聴いてほしい。下のアルバム情報にリンク貼ります。



次に驚いたのがサウンド骨太なギター、他パートを邪魔しないリズム隊、そしてエモーショナルなボーカルの歌声。一つ一つが武器となり、一体となって曲を作り上げている。
このアルバムに全く飽きが来ない理由として、勿論メロディの良さはあるが、音の纏まりが非常に良いという点が大きい。


歌詞、サウンド、歌声、曲調のバリエーション、どこを取っても魅力的な名盤。ウルトラマンの怪獣で言うならばタイラントのような恐ろしい(褒め言葉)バンドだ。
2020年代に突入してまだ1ヶ月も経過していないが、早くもこのようなアルバムに出逢えたことをとても嬉しく思う。そして、彼らが放つ次の一手が今から楽しみで仕方がない。


ボーカルの杉本氏は「2019年はダニーバグにとって停滞の年だった」と仰っていた。メンバーの失踪、曲作りやライブも安定して行うことができなかったそうだ。

しかしMV公開、EPリリースまで到達したダニーバグ。天性の歌心を武器に、2020年は彼らにとって飛躍の一年になることだろう。要注目だ。ダニーバグの皆さんの益々のご活躍を願っています。

★★★★★


・アルバム情報

ダニーバグ「わかってたまるか」

2020/01/15 Release ¥1100(CD、税込)




・関連リンク集

sugi pem …YouTubeチャンネル

ダニーバグ (@dunny_bug) …バンドのTwitterアカウント

ダニーバグ …Eggsのページ

すぎもと(ダニーバグvo) (@sugi_bug_vo) …ボーカル杉本氏のTwitter



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