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FIELD OF VIEW「Last Good-bye」(1995)

Last Good-bye
FIELD OF VIEW
1995-11-13


1stアルバムのヒットを経て発表された、FOVとしては3枚目のシングル。作詞は3作連続・坂井泉水。キーボードの安部さんがこのシングルをLastにGood-byeした。ちなみに95年末Mステスーパーライブの時点では安部さん含め4人。


策士・坂井泉水。爽やかボイス×優柔不断な歌詞の化学反応

浅岡さんといえば何と言っても爽やかな歌声。それに乗せて届けられるメッセージとして「突然」がストレートなら、こちらは変化球。

「突然」では爽やかな恋模様が歌われていたが、一方のこの曲はど頭の「君を悲しませてるものは全て消えるよ」という歌詞からわかる通り、失恋の歌。マイナー調のメロディーラインからも前作までとの差別化が伺える。

男目線で別れた彼女への思いが歌われている。
僕はその細い肩 抱きしめて気づいたよ 君は少しずつ無口になっていったね
一人の人間をずっと好きでいるのは難しいよ 僕は今も少年(あおい)夢にしがみついてる
と、このように一番・二番の時点で男性の達観が伺えてなんとも物悲しいのだが、この曲最大のポイントは最後の最後にやってくる、この歌詞!
ねぇ誰も間違っていないよ
この一節が入ることで、捉えようによっては主人公の男の印象がガラッと変わる。それまでの歌詞だけ見ていると淡々とした感じだったのに、最後に自分の過ちを全てを棚に上げるようなとんでもないワードがぶっ込まれた。これは良い意味で醜さ、人間らしさが出ている。これを踏まえてこの歌詞をもう一度!※以下荒ぶってます
一人の人間をずっと好きでいるのは難しいよ
…いや~「突然」のラストで言ってた「僕らの愛は二度とはぐれない」!あれ何だったんだよ!あっちゅーまに愛はぐれてるぞ!!行く先間違えたわね

そんでこんな歌詞を何やらせても上手くこなしそうなザ・爽やかイケボ浅岡さんが歌うと、そのギャップで歌詞の主人公の優柔不断さがより浮き彫りになって素晴らしい。
ギャップって印象に残りやすいと思うんですよ、何にしても。そこを上手く使っている。
というか私には坂井泉水氏がそこまで計算して書いているように思えて仕方がなかった。爽やか(今はどうか知らんけど)な浅岡さんにあえてダメ男を演じてもらおうじゃないかと!坂井泉水、恐ろしい人だ…。色々な面でハッとさせられる一曲。
この文を書いてる中での発見もあまりに多くて曲の印象がだいぶ上がった。めでたしめでたし。

「SINGLES COLLECTION+4」収録のものに限りミックスが違う。よくよく聴いてみるとまあ確かにドラムの響きとコーラスの大きさが異なるのだが…基本的なアレンジは同じなのでわかりにくい。持ってる人や気になる人はぜひぜひ聴き比べてみてほしいけれどもたぶんガッツリ聴いてるファンじゃないと気づかないっすわ。



・楽曲情報

FIELD OF VIEW「Last Good-bye」

作詞:坂井泉水
作曲:多々納好夫
編曲:葉山たけし

・アルバム収録

FIELD OF VIEWとして国内リリースされたアルバムのみ記載

通常バージョン
FIELD OF VIEW Ⅱ (1996)
Memorial BEST ~Gift of Melodies~(2002)
complete of FIELD OF VIEW at the BEING studio (2003)
BEST OF BEST 1000 FIELD OF VIEW (2007)
FIELD OF VIEW BEST HITS (2013)

リミックスバージョン
SINGLES COLLECTION+4 (1997)


・FOV25周年記念公式イベント情報

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・FIELD OF VIEW 25周年記念全シングルレビュー

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※執筆次第掲載