カテゴリ

カテゴリ:ブログ

「Miracle Pop/Rock Garden」始動!

カテゴリ:
どうもdeamuです。


この度新たに始動した共同音楽ブログ「Miracle Pop/Rock Garden」に、私deamuも参加させて頂く運びになりました。

「Miracle Pop/Rock Garden」では、現代の音楽シーンにおけるリバイバル文化で見落とされてしまいがちな、日本のポップス/ロックのシングル及びアルバムを紹介していく予定です。

個性豊かなライターの皆様とともに、他所ではあまり語られないような名盤を紹介していけたらと思っております。
早速、一昨日・昨日と新着記事が上がっております。ぜひご覧ください。

↓ブログはこちらから

勿論、今後もこちらのブログ(Soul Inspiration)も平行して更新予定です。相も変わらずあまりに不安定な更新頻度ではありますが、引き続き応援していただけますと幸いです。今後ともよろしくお願いいたします🙇



カテゴリ:
どうもdeamuです。

皆様、あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。



2022年は個人的には波乱の年でした。
年始は例年以上の充実した趣味活動を!と意気込んでいましたが、前半に家族の入院ラッシュ、後半に私自身の体調の悪化、更に一年を通して祖父の介護があり、なかなか思うようなブログ更新ができませんでした。他所でブログを共同更新している一部の方にはこの事でかなりご迷惑をお掛けしてしまったことかと思います。この場を借りてお詫びします。申し訳ございませんでした。

また、疎らな更新頻度でも読んでくださっている皆様には感謝しかありません。本当にありがとうございます。



音楽については、ブログ執筆・アウトプットの時間を設けられなかった代わり、聴くための隙間の時間は設けることができ、インプットの一年になったように思います。特に80年代の音楽とジャニーズソング・8cmCDについては、環境に恵まれたこともあり更に深掘りすることができました。



4月からは大学4年生となり、就職活動や卒論の執筆が待ち構えているほか、昨年に引き続きの家族の介護もあり、今年もなかなか思うようなブログの更新ができないことが予想されます。ただ、空いた時間ができれば昨年の分までアウトプットに努めたいと思っています。更新の際にはぜひ読んでいただけると幸いです。1月中には「買ってよかった旧譜特集2022」の下半期編も更新しますので、もうしばらくお待ちください。


改めて、本年もよろしくお願いします。




買ってよかった旧譜特集2022 (上半期編)

カテゴリ:
どうもdeamuです。

2022年もいよいよ大詰めですね。皆さんは今年何かにハマりましたか?
私はもう例年通り…否、それ以上に旧譜収集にハマり、注力した1年でした。同時に、完全に自分の趣味世界に閉じ籠ってしまったことで徐々に世間の流行に置いていかれ、「嗚呼、おっさんになるとはこういうことなのか…」と感じることが多かったですね(早ぇよ)

そこで今回は、私が今年1年間で購入・試聴してきた旧譜の中から、「これは買ってよかったな~」と思うものをピックアップし、短文やときどき動画と共に紹介していこうと思います。
厳選しても結構膨大になってしまったので、前・後編で区切りました。ということで、まずは1月から6月までに出逢った旧譜から。


-1月-

中谷隆博「LIFE SIZE」

LIFE SIZE
中谷隆博
1996-11-21


角松敏生のプロデュースの下デビューしたシンガー中谷隆博の1stアルバム。1996年作。

JUDY AND MARYに対するHysteric Blueを本家自体がバックに立って行った、とでも言うべきでしょうか。角松本人の楽曲が持つ雰囲気がそのまま継承されたような作品。特にデビュー曲である①「gala~涙色のエンジェル」はキャッチーなサビ、作り込まれたハウス系サウンド、程よく透き通った歌声、どこを切り取っても文句無しの名曲。90年代角松ワークスはVOCALANDだけではありません。




ORITO「Soul food」

ソウル・フード
ORITO
1997-05-21


ソウルシンガー・ORITOの2ndアルバム。20代で海外へ発ち、大御所Willie Mitchellに認められ逆輸入デビュー。以後国内外の名プレイヤーを従えながら次々にアルバムを発表し、来る日本の男性R&Bブームの礎を作るも08年に43歳の若さで逝去。まさに激動の人生を送ったシンガーです。

本作は全編英語詞であった1stから音作りの良さはそのままに、よりジャパナイズされた作風に。堺正章「さらば恋人」のカバー(少々笑えてくるが…)や前後の作品と比較してもカラフルなジャケットからも、歌謡・ポップスへの歩み寄りの姿勢が感じられます。時にソフトに、時にパワフルな良盤。




LEON「7 DAYZ AVENUE」

7DAYZ AVENUE
LEON
1993-12-08


今やすっかり杉下警部な水谷豊氏を主演に、当時旬のグラドルや若手女優が脇を固めたドラマ「湘南女子寮物語」主題歌でメジャーデビューしたLEONのメジャー1stアルバム。

服まで無駄に青々としたジャケットの通り、当時既に消滅しつつあったコテコテの夏モノリゾートポップスが惜しげもなく展開された作品。程よく甘く、それでいて力強さも持ったボーカルの歌声のお陰で、特に今更感やぎこちなさは感じずに聴くことができます。インディーズ時代は「怜恩」名義で至って普通、悪く言ってしまえば限りなく地味な音を奏でるバンドだったのですが、路線変更がバッチリハマったのか、ノリも見違えるほど良くなっています。

ちなみにこのLEONのボーカルの名は伊藤誠。某アニメ主人公の風評被害をモロに被っているであろう一人です。nice boat.





V.A.「ヒロイン誕生!!女の子向きベストヒット」



名盤と呼べるのは特定アーティストの作品だけでしょうか。私はこの時期、大阪日本橋の某大レンタルCDショップの閉店セールで子供向け特撮・アニメのコンピを片っ端から買い漁っていたのですが、その中でそれはNOだと確信しました。

本作は1992年~1995年頃に放送されたアニメ「美少女戦士セーラームーン」「キテレツ大百科」「ポコニャン!」「とんでぶーりん」「金髪のジェニー」「エトレンジャー」と、ゾンビのような長寿シリーズ「まんが日本昔ばなし」の主題歌を収めたコンピ盤。所謂ガールポップ的な観点でも楽しめる曲が目白押しです(日本昔ばなしとあんしんパパには目を瞑れ)。個人的にセーラームーンのED「乙女のポリシー」とぶーりんのOP「愛はカッコわるい」はイチオシ。

それにしても、子供向けコンピは時代ごとの空気感を閉じ込めた作品としてこの上ないものだなと。皆さんもこの手のコンピをお持ちでしたら、「あの頃」に思いを馳せながら聴き入ってみてください。それはそれはエモーショナルな気分になることでしょう。音楽で時代を超えるタイムマシン。そんな楽しみ方が容易にできてしまう点で子供向けコンピは名盤なのです。





小川範子「恋をしようと思う」

恋をしようと思う
小川範子
1993-09-29


1987年にデビューして以降、どこか物憂げな声を武器に名曲を残し続けてきた小川範子の、アイドルとしては結果的に最終作となった10thアルバム。

王道を往くアイドル歌謡だった前作から一転し、音数を抑えた静かな作品。ほとんどがアコースティックとストリングス中心で非常にシンプルですが、本人の唯一無二の歌声と絶妙なアレンジのお陰で全く退屈しない仕上がりになっています。特にシングルにもなった「愛されすぎて」はそれまでに培われた表現力が大爆発した集大成的名曲。

前作「どうしてこんなに好きなんだろう」が足し算の名盤ならば、こちらは引き算の名盤といったところでしょうか。この後はシングルを数枚リリースし、少し間を置いた後にOgawa名義で捻りを加えたデジポップ路線に移行しますが、できればアイドル小川範子としてもう一枚この先が聴きたかったところ。




-2月-

小田育宏「talk to you」

トーク・トゥ・ユー
小田育宏
1992-05-21


神戸出身AOR系シンガーソングライターの1st。近年再評価が著しい作品で、ネットではかなりのプレミアが付いていますが、この頃運良くブックオフ実店舗で購入できました。

一言で表してしまえば、「時流に全く左右されなかった作品」。92年の邦楽と言えばシンセサイザーや打ち込みを多用した軽く派手なサウンドを想像しがちで、実際私もそのような作風に期待している部分があるのですが、この方の作品は真逆。あくまで生音志向で、頑ななまでに真面目なAOR。納得のいくまでデビューを渋っていたという逸話も聞きますが、そんな彼の性格がよく反映されているようです。70s、80sから続くAORの血脈を高純度でこの時代に体現したという点で非常に貴重な作品でしょう。
事情はあれど、これほどの方が阪神・淡路大震災以降表舞台から姿を消してしまったことが悔やまれます。名盤。




五味美保「Mind Holiday」

Mind Holiday
五味美保


2006年頃まで息の長い活動を続けたガールポップ系シンガーソングライターのデビュー作。
当時同レーベル所属であった森高千里や笠原弘子の同時期の作品を彷彿とさせるような、アイドル歌謡にシティポップを融合させた楽曲が勢揃い。夏の夜のドライブミュージックにも推奨したい一作です。

五味はこの後BMG→トーラス→インディーズと幾度もレコード会社を移籍。数多くのリリースの中でよりガールポップ的に変化を遂げていきますが、アレンジャー変更の影響か、初期の華やかさは徐々に消えていってしまいました。残念。




馬場俊英「もうすぐゴング」

もうすぐゴング
馬場俊英
1997-02-21


一度はメジャー契約を切られるも、口コミで返り咲き、歌の力で紅白出場まで漕ぎ着けた不屈のシンガーソングライター・馬場俊英の1stアルバム。以前からサブスクでハマっていましたが、この時期小田育宏と同じブックオフ実店舗で購入できました。

後の路線の片鱗を見せる楽曲も一部存在するものの(「『優しい雨のように』を覚えてますか?」など)、この頃の彼の音楽性において主軸を担っているのはあくまでオーソドックスなポップス。普遍性に溢れながらも、文学的な歌詞とジャズ・シティポップ・ボサノヴァ的な要素を取り入れたアレンジは捻りが効いており飽きが来ない。癖はないが、かといって無個性で流れていってしまうものでもない、絶妙なバランスで成立している名盤です。ガールポップマニアとしては佐藤聖子への提供曲をセルフカバーしているのもポイント。

彼がフォーライフで残したアルバムの中で、現在本作のみが何故か廃盤となっている様子。再版してケレ。




忍者「Summer Ski~2/4の恋愛術~」



一般的には「お祭り忍者」の一発屋ヒットで知られているものの、光GENJIや男闘呼組と比べ顧みられることは残念ながら圧倒的に少ない哀しきジャニーズアイドル・忍者の6th。

長らく和をテーマにお祭りワッショイ!が基本線だった彼らの転換点となったのが本作。林哲司・都志見隆・岸正之・井上大輔・中崎英也・見岳章という豪華すぎる作家陣を引っ提げ、お祭り厳禁の上質なポップスを歌い上げています。皆歌は上手いしハモりも有り。個人的ベストトラックは、ジャニーズソングをまさかのウォールオブサウンドで煮込んだ(!)奇跡の名曲「最後のAnswer Phone」。ここは御託を並べるよりも一度聴いて頂いた方が早いかもしれない。

とにもかくにも、ジャニーズ・ワールドの歴史の淵に埋もれ続けるには余りに惜しい名盤です。ここでの楽曲の良さはSMAPにも引けを取りません。





A.B.C-Z「Going with Zephyr」



その忍者の後輩グループ・A.B.C-Zの6thアルバム。
彼らは現在活動中のジャニーズグループの中でも特にアクロバットを売りにしているグループ。それだけのことはあり元々「お洒落に」「ノれる」ような楽曲が多いのですが、そんな彼らのアルバムの中でも全編通して洗練された印象を受けるのが本作。

序盤の「Crush on you」「Move that body」から往年のシティポップ~ブラコン系のエッセンスを見せており思わず笑みが零れます。中盤もかつてのSMAPを彷彿とさせるファンクポップ「JOYしたいキモチ」、更にはそのSMAPへ楽曲提供していた林田健司を本当に召喚してしまった「Man and Woman」など一切隙ナシ。後半ではK-POP的な「Want You Back」やより現代的なジャニーズポップ「幸あれ」などメイン層へのアピールもバッチリ遂行。バラエティ豊か、聴き応え十分の名盤に仕上がっています。

今年デビュー10周年を迎えた彼ら。売上面ではまだまだジャニーズの他グループに大きく水をあけられてしまっているのが現状ですが、楽曲のクオリティは他グループに勝るとも劣らないことをこの場で主張しておきたいです。




Seven Steps to Heaven「BRILLIANT CUTS」

Brilliant Cut
Seven Steps to Heaven
1997-10-22

後にparis matchを結成する杉山洋介と、現在はフォトグラファーとして活動している西山一郎のユニット。1993年にsysteme-d名義でデビューし、1997年にSeven Steps to Heavenへと改名。本作が改名後唯一のアルバムにしてラストリリースとなりました。

systeme-d時代はファンク&ポップな音楽性でしたが、モダンジャズの帝王・Miles Devisの同名アルバムから拝借したであろう新グループ名の通り、そこにジャズのエッセンスが付加。その結果程よくメロウ、程よくファンキーなお洒落サウンドに成長しています。特に、改名後最初のシングルにもなった「Brand-New Kiss!」はそのバランスが最もハイレベルに結実した1曲と言って良いでしょう。個人的に再評価全裸待機な楽曲のひとつ。

また、現在杉山氏が所属しているparis matchはJ-AORの大御所バンドの一組にまで登り詰めていますが、結成直前のリリースに当たる本作はやはり音作りの面で似通った部分があります。本作を聴けばparis matchの音楽性の成り立ちの一端を垣間見ることができるでしょう。一大ユニットの前日譚としても楽しむことができる充実の一作、ネットでも安価で転がっているので是非手に取って頂ければと思います。





-3月-

大久保好子「ゴールデン☆ベスト nice to meet you/晴れた空」



公式には「90年代の大貫妙子か竹内まりやかと言われたシンガー・ソングライター」とある大久保好子。1993年にデビューするも、翌年の2ndアルバム完成直後にレコード会社が倒産(新会社へ移行)してしまった影響を受けメジャーから撤退しました。本作はその際にお蔵入りした2ndアルバムと、廃盤になっていた1stアルバム、更にインディーズ移行後の作品から2曲を収めた2枚組ベストアルバム。

あまり歌い上げない素朴な歌声は確かに大貫妙子、或いは松任谷由実辺りを彷彿とさせます。休日の昼下がりにリラックスしながら聴きたいような雰囲気を纏った1stアルバム楽曲から実に心地よい出来ですが、ここで特筆したいのはやはり2ndアルバム「晴れた空」の楽曲群。当初から見せていた70年代ニューミュージック的な音楽性を下地に、当時のガールポップ~シティポップ要素も取り入れられており非常に彩り豊か。特に何処かフリーソウルっぽさも感じられる「恋の嵐」が出色です。

当時半数もの楽曲が世に出ず終わってしまったことが何とも惜しい良盤。既にサブスク配信もされているのでこちらも是非。





V.A.「シークエンス オリジナルサウンドトラック」

みずき健による短編漫画を原作としたOVA作品のサウンドトラック。

原作・OVAどちらも未読/未視聴のため何とも言えませんが、内容としては転生モノ。話の内容に感化された自殺未遂騒動も起きたとか何とか…。それを反映してか渡辺俊幸による劇伴はどこか不穏且つファンタジックな雰囲気。

しかし、やはりガールポップ愛好家としてはボーカル曲が目玉。何と本作のボーカル曲を担当しているのは、SSWとして再デビューする前の山口由子や、当時ZABADAKの上野洋子、更には裏方に徹しつつあった時期の広谷順子と岩崎元是という怱々たる面子。特に山口由子の「PUREゴールド」と広谷順子の「SEQUENCE」はメロディーの訴求力が抜群で、90年代初頭のガールポップ・レアトラックの1曲として聴いても光るものがあります。




-4月-

Lip's「これ、うまいぢゃん」

これ,うまいぢゃん
Lip’s
1990-09-21

UCC CAN COFFEE ミス・コンテストで入賞した加藤貴子・吉村夏枝・山本京子の3人で結成されたアイドルグループの1stアルバム。アイドル冬の時代が到来した時期のデビューであったこと、メンバー間の所属事務所の違いによる活動の制約、テレビ露出の少なさなどが響いたのか人気は伸び悩み、1992年に解散。結果的に本作が唯一のアルバム作品となりました。

ジャケット及びタイトルのイロモノ感で敬遠しそうになりますが、いざ蓋を開けてみるとこれが同時代の中でも一際洗練されたアイドルポップスが並ぶ作品なのですから侮れません。
ギターのカッティングとシンセがよく絡むオープニングの2曲「Kiss me…って感じ」「Splendid Love」で引き込まれると、その後のソロ曲パートでは吉村の力強い歌声、山本の最年少ながらどこか妖艶な歌声、加藤の芯の通りながらも可愛らしい歌声に連続ノックアウトを喰らう。〆には王道アイドルソング「愛の魔力」の聴き応えに圧倒され、結局最後まで「美味い」作品でした。…あれ?やっぱりタイトル通りぢゃん。




MANA「MANA」

MANA
MANA
1992-05-21

後に長谷川真奈の名で再デビューすることとなるハーフのシンガーMANAの、この名義では唯一となるアルバム。

このアルバムは何と言ってもド頭のデビュー曲「レイオフ」が圧巻。前向きな歌詞、壮大な雰囲気、それらに負けない力強い歌声。どこを取っても同時期世を賑わせたヒット曲と遜色ない出来なのです。この時期でも特に「なぜ売れなかった!」と叫びたくなる1曲。
以降の楽曲も「レイオフ」の衝撃には及ばないながらも堅実な出来。激しいデジロック「エ・ゴ・イ・ス・ト」、歌い上げ系バラード「天国の真下」などは歌唱力の高さや声質の奥行きの深さが特にマッチしています。

この後もMANAとしてアニソンの、長谷川真奈としてシティポップの名曲を数多く残した彼女。現在は「Mana Leone Hasegawa」に改名しハワイアンシンガーとして活動しているようです。




-5月-

稲垣潤一「Self Portrait」

Self Portrait
稲垣潤一
1990-04-04


80年代~90年代を代表するシンガーの一人、稲垣潤一の10thアルバム。もう今更触れるまでもないでしょうが、1982年「雨のリグレット」でデビューし、翌年「ドラマティック・レイン」でブレイク。1992年発売の「クリスマスキャロルの頃には」がミリオンヒットを記録しています。その少し前に当たるこの時期もアルバム中心に安定した人気を誇っており、本作も25万枚を超えるヒット作となりました。

この時期稲垣潤一の歴代アルバムを片っ端からかき集め、聴き倒した私が中でも推したいアルバムが本作。脂が乗ってきた時期にドロップされたシングルである「SHINE ON ME」「1969の片想い」で幕を開けると、煌びやかなシンセが切なさを強めている「夏が消えてゆく」「心からオネスティー」、好相性な大瀧詠一カバー「恋するカレン」、〆のバラード「The Love is Too Late」まで、安定した楽曲が並びます。ボーカルコンディションも最高潮の時期であり、歌い回しから稲垣本人の誠実なキャラクターが見えるのも良い点。

唯一残念なのは、前年リリースの名曲「君は知らない」が制作タイミングの関係なのか未収録となってしまったこと。アルバムのカラー的にも十分合致していると思うのですが…。





今井優子「DISCLOSE」

DISCLOSE
今井優子
1994-03-23


角松敏生のプロデュース作「DO AWAY」や、Minnie Ripertonのカバー「Lovin' You」のヒットでも知られる女性シンガーの8thアルバム。初の全編セルフプロデュース作でもある。

アレンジャーに「カードキャプターさくら」の劇伴や永井真理子のプロデュースでも知られる根岸貴幸を起用。その結果、それまでのリリースと比べても格段に明るく軽快な作風に変化しています。特に1曲目の「恋しくて」は一度聴いたら忘れないほどキャッチーなメロディー。

いかにも角松なシティポップ作品だった「DO AWAY」とはまた異なるガールポップ的な側面を打ち出した名盤であり、どちらにも完全に対応できてしまう今井のボーカリストとしての技量の高さが見える1枚。





-6月-

かんコーラ「あなただけを」

あなただけを
葉月コーラ
1991-06-21


間寛平・葉月コーラでかんコーラ。間寛平は言うまでもないとして、葉月コーラは80年代に佐藤寛枝の名前でデビューしていた元アイドルの改名後の姿。ちなみにこの後、中原薫に改名しビーイングで歌手活動をしています。

あおい輝彦カバーのA面も、昭和歌謡をビーイングらしい90年代ポップスに上手く煮込んでおり、Mi-KeのGSカバーで培った技術が活きている印象。しかしここでピックアップしたいのはB面の「DAY IN VACATION」。こちらも渚のオールスターズのカバーですが、葉月の明るく安定した歌声のお陰でガールポップ版として何の違和感もなく聴けます。ちなみにこちらには間寛平は不参加。





刀根麻理子「NATURALLY」

NATURALLY
刀根麻理子
(unknown)
1970-01-31


「キャッツ・アイ」の主題歌「デリンジャー」で有名な刀根麻理子の3rdアルバム。

CD購入に至るまでは代表曲のハイテンションなイメージが強かったのですが、本作でそれを完全に打ち壊されました。AORなバラード「STAY WITH ME」、ミノルタのCMソングにも起用された小気味良いサマーブギ「一秒の夏」、シリアスなシンセ歌謡「真夜中のエンジェル・フィッシュ」などなど、当時トレンドであった音楽性が入り混じっており、一枚でお腹一杯楽しめます。「デリンジャー」路線を引き継いだ「ジェラス・ファイヤー」ももちろん名曲。本当に器用なシンガーだこと。




JH Street Band featuring 西村ちなみ「Rhythm & Breeze ~風にはずむ~」



「おじゃる丸」のおじゃる丸役(2代目)や、「ポケットモンスター」のジュンサー役で知られる声優・西村ちなみのミニアルバム。

90年代声優のアルバムはこれまでもあれこれ聴いてきましたが、本作を聴いたときの衝撃はその中でも指折りでした。「声優のアルバム」としての妥協が一切ないR&B作品です。
高く・優しく鳴り響くドラムと太いベースに導かれ作品世界に入り込むと、西村の甘いボーカルが30分に渡って癒しを届けてくれます。どのくらい甘いかというと、加藤いづみと森高千里に砂糖をまぶしてウィスパーにした感じ。
実店舗ではまだまだ安値のようなので、見つけられた場合は是非手に取ってみてください。チルな時間を過ごせます。



長山洋子「F-1」

F-1
長山洋子
ビクターエンタテインメント
1988-09-21

現在は演歌歌手として活動する長山洋子の、アイドルとしては最後のアルバムとなった5th。

まず注目したいのが作家陣。なんと鈴木雅之、安部恭弘、中原めいこ、種ともこ、松尾清憲がそれぞれ2曲ずつ提供しています。こんな癖の強~いメンバー(超失礼)が揃うわけです。当然主張しないわけがなく…。
種ともこの曲は本人が歌わなくても歌詞のハメ方の癖がとにかく強いし、中原めいこの曲はめちゃめちゃディスコ。更に松尾清憲の曲はデジタルチック、安部恭弘はメロウ、鈴木雅之に至ってはコーラスと言えない勢いでボーカルを披露してきます。もうカオス。

しかしながら、そんな中でも統一感を持って聴けてしまうのが本作の不思議なところ。長山の持ち前の歌唱力とアレンジャー鷺巣詩郎の神がかり的な技術によって「やばい」メンバーの癖強楽曲たちを見事にまとめ上げています。その様はさながら80年代J-POP界のタイラント。




WINDS「STANCE」

images (72)

(Amazon商品ページなし)

「ジョッ、ジョッ、ジョッ、ジョーシーン♪」というフレーズで関西圏ではお馴染み、上新電機のCMソング「情熱をなくさないで」を歌ったウインズのインディーズ時代のアルバム。正確にはこの作品の前に「一発逆転」というバンド名で一度メジャーデビューしており、本作で再出発した形。

再メジャーデビュー後からは応援歌、ご当地ソング、企業ソング、ラブバラードなどに路線が確立されていきますが、この時期は時流に合わせたのかややシティポップ要素が強め。リズム重視の「PARADISE」や「SHINING」、タイトルからオメガトライブみのある「The Last Summer Night」辺りが特に顕著か。また、メジャーデビュー後も大切に歌われている「I can't forget the memory」はこの時期特有のひんやりとしたシンセサイザーがマッチしており、むしろこのアルバムのバージョンのほうが完成されている印象も受けます。

現在はボーカルの平阪佳久をフィーチャーした「ウインズ平阪」として活動中ですが、来年2月のライブをもって平阪さんが新世代にバトンを引き継ぎ、卒業されるとのこと。本当にお疲れさまでした。(でもウインズ平阪からウインズ平阪卒業とは一体…?)




高橋ひとみ「カラフル」



女優・高橋ひとみが1991年に発表した唯一のアルバム。鳥山雄司プロデュース作品。流通量が非常に少ないレア盤の一つですが、この時期にめでたくリマスター再発が行われたことで入手できました。

リズミカルなギターやひんやりとしたキーボードに、高橋の上手すぎず下手すぎない素朴な歌声が絡んだ快作。
「七夕じゃなくていいから」を始め、ロマンチックな歌詞が多い点も完成度に箔をつけています。




上半期分は以上です。時間の関係で今回泣く泣く削った物もあるほどなので、前半から数多くのいい作品に巡り合えたんだなと改めて思います。しかし後半には紹介したい作品がもっともっと控えています。詳しくは次回の記事にて。年内に更新できるのか…??




大学2年になりました&病状報告

カテゴリ:
どうもdeamuです。

まともなブログとしては昨年12月以来の更新になってしまいました。理由についてはまた後程書きますが…。
とりあえずこの記事以降に予定していた

・90年代アルバムマイベスト1000 (仮)
・仕切り直し勝手にランキング

この2つ、一旦保留にします。突然出すかもしれないのでその時はどうかよろしくお願いします。


さて今回の本題その1。

・大学2年になりました

後期1単位落としたもののひとまず無事進級。

当ブログへの影響としては今年から本格的に対面講義が始まるのでブログに割く時間がどれほどあるのか不明瞭…というとこでしょうか。できる限り更新します。大百科含め。(僕の休止中大百科更新してくれたお二方本当にありがとうございました)


そして本題その2。

・耳の病気してました(してます?)


丁度前々回の記事を更新した直後の12月半ば頃から右の耳に閉塞感が出始めました

急いで耳鼻科に行って聴力検査をしてもらうも結果は異常なしどういうこっちゃと思いながらその状態のまま3ヶ月経過

やっぱりそろそろこれはおかしい、ということでネットで症状からいろいろ調べてみるとどうやら内耳の病気らしい。あと加味帰脾湯なる漢方薬がそこそこ効くらしいこと、ストレス系の病気だということなどいろいろ判明。結局異常なし何だったんだよ

そこから加味帰脾湯を服用していくと、みるみるうちに閉塞感は緩和。まだ若干の違和感こそ残っているものの今は落ち着いています。

ちなみに先日もう一回耳鼻科に行き聴力検査してもらうと…また異常なし。もうわけがわからん。


…ということで、耳の様子を見ながらの状態が冬以降続いていました。

その間ブログ、botの類いは休止、Twitterも投稿ペースを落とす形を取らせて頂いていました。

今落ち着いている症状も再発する可能性も無きにしも非ずなので以前よりペースは上げ、多少解禁はしつつも、もうしばらくは様子を見ながらとしたいと思います。よろしくお願いします。

ただ、やりたいことは大量に溜まっているのでブログなりTwitterなりでいろいろ発信していきます。お楽しみに。


以上二点、報告でした。

皆もすなる年間マイベストといふものを我もしてみむとてするなり(2020新曲編)

カテゴリ:
どうもdeamuです!

タイトルの通り当ブログとしては初の年間マイベストソングをしてみようと思った次第でございます。

個人的に今年は激動の一年でした。受験からの大学入学、そしてコロナでネット授業…と、まあ環境が一変。そのせいで当初の計画からいろいろ狂いが出ました。サークル等にもまだ入ってなかったりで生活面では結局なかなか悔いの残る一年にはなってしまったかなーという感じですね。来年にリベンジ賭けます。

そんな一方で趣味面では新たにハマった歌手もあり、新たな出会いもあり、新たに始めたツイキャスやbotも手ごたえありでなんやかんや言うても充実していたかなと。

今回はそんな充実のもとで出会った10曲そこそこをつらつらと紹介したい所存でございます。少なくてごめんね!!





①雨の日の少年/ダニーバグ



いやいや、今年は何と言ってもダニーバグですよ。
1月のミニアルバム「わかってたまるか」は衝撃でした。これぞまさにロックンロールのタイラントだ!なんて思ったものです。その時衝動のままに書いたブログが残っておりますのでぜひぜひこちらを…


11月には初のフルアルバム「gun shy」も発表され勢いづいているダニーバグ。来年も注目していきたいと思います!


最新アルバム「gun shy」





②真っ赤なLip/WANDS



昨年11月の再始動発表後、最初の新曲として発表された5期WANDS初のシングル曲。

90年代と現代の融合をここまで高クオリティで実現させた曲が今まであったでしょうか…AメロBメロの難解なリズムからWANDSらしさも見えるサビへと向かっていく構成と、それをサラリと歌い上げてしまう新ボーカル上原の存在感、どちらもお見事。新しいWANDSへの期待をより強めてくれた一曲です。ちなみに自分がカラオケで歌ったら主にAメロとサビの入りで爆死して上原さんの凄さを実感しただけでした。

更に余談、これと次の曲は私大受験前日にシングル買いに行きました…なおその後待っていた地獄の日々のことはまた後程…。





③D.D./Snow Man



今年新たにデビューした新鋭ジャニーズ「スノスト」の片割れ、Snow Man

曲の洗練度合いも最初衝撃の一言でしたが、YouTubeチャンネルを見て更に衝撃。
曲ではこれだけキレッキレに踊ってる一方でYouTubeで上げている企画動画がめちゃめちゃ面白いんですよね~。そのギャップでハマってから気がついたら一年間見続けていました。
母も同時期にハマり、一緒にライブを見たり、レギュラー番組見たり、先日公開の「滝沢歌舞伎ZERO」を見たり…自粛期間以降の家族との繋がりを与えてくれたものの一つが実はSnow Manでした。…あんまり曲の話してない気がするけどまあいいや。



④青春の馬/日向坂46



さて来ました。地獄の大学受験13連敗の思い出と共にある一曲。

2月前半の受験ラッシュに全落ちした後、崖っぷちの中聴いていたのがこの曲とFANATIC◇CRISISの「ワンダフルライフ」(こっちは2001年の曲)でした。
君は絶対諦めるな 何があったって…この直球ながら力強いフレーズにどれだけ支えられたか。
地獄の日々の詳細については地獄すぎて逆にあまり記憶にないものの、さらなる受験勉強の末に14回目で今の大学に合格できましたとさ…。こんなに機会を与えてくれた家族には感謝しかないです。


最新アルバム「ひなたざか」





⑤パラボラ/Official髭男dism



無事に大学入学を果たしたばかりの、不安が入り混じりながらも将来への期待に溢れていた頃の自分を思い出す一曲。
自分は実家暮らしなので段ボールだらけの暮らしこそ始まりませんでしたが、一番の歌詞は大学へ入学したての自分へのプレゼントのようにさえ感じました。
これからも自分にとっては初心を思い出させてくれる曲になっていくような気がします。

最新EP「HELLO EP」





⑥抱き寄せ 高まる 君の体温と共に/WANDS



「真っ赤なLip」に続く再始動2作目。
「真っ赤なLip」が変化球ならこちらはストレートですね。こんなWANDSが2020年に聴けるなんて後追いファンの自分にとってはもう感動モノですよ…。初めて聴いた時の興奮が忘れられません。
「パラボラ」と並んで2020春の思い出に深く刻まれた一曲になりました。あと余談ですが発売日が自分の誕生日だったのでその点でも印象深いです。


秋に出た最新アルバム「BURN THE SECRET」やそれを引っ提げた配信ライブも大満足。来年以降の彼らの活躍が今から楽しみ。


最新アルバム「BURN THE SECRET」




⑦「ぴえん」のうた/針スピ子



謎の「〇〇のうた」系アーティスト・針スピ子の名(迷?)曲。
とにかく中毒性が尋常じゃない。中毒性なら今年ヒットした曲の中でドルガバといい勝負だと思います。
今年一年気がついたらついつい口ずさんでいる曲でした。スピ子さんにはこういう流行りの言葉に乗ったうたシリーズをずっと続けていってほしいですね。ぴえん。





⑧KANZAI BOYA/KinKi Kids



昨年亡くなったジャニー喜多川氏を追悼、リスペクトしつつも盛大にネタにした衝撃作。
こんなのをネタにできるのキンキしかいませんよ、本当に。
動画にはありませんが、曲のラストの光一くんによるジャニーさんものまねは必見です。爆笑でした。




⑨ハイライト/SUPER BEAVER



結成15周年を迎えたバンド・SUPER BEAVERのメジャー再契約一発目のシングル。

今がもし最後になってしまっても構わないなんてやっぱり思えなくて これからもずっと続いていくようにその為に僕は必死でありたいのさという冒頭の歌詞。一度目のメジャー契約終了後、10年余りのインディーズ活動を経て再びメジャーレーベルへと舞い戻って来た彼らが歌うからこその説得力がある。
バンドが元々持っているパワー、熱量も相まってかつてなく心に勇気をくれる一曲になっていると思います。
今回大きくは扱いませんが、彼らの最新曲「自慢になりたい」もこれまた良い曲でした。もしかしたら今のビーバーが一番好きかも…?





⑩スマイル/森七菜



ホフディランが96年に発表した名曲のカバー。

本人たちが関わっているのに原曲とは全く違う印象。
名曲に新たな命を吹き込んでくれた、とも言えるでしょう。こういうカバー最高ですよね。
過去のカバーを遡ってみたら「あなたに会えてよかった」もなかなか良い感じで…このカバー路線しばらく続けてほしい。今の森さんのこの雰囲気、この歌声ならば他の過去の名曲も色鮮やかに生まれ変わるような気がします



以上、わたくしdeamuの2020年ベストソングでした。
ほぼ上半期じゃねぇか!というツッコミがどこかからか聞こえてきそうですが10曲に絞るとどうしても上半期ばっかり残っちゃったもので…

来年は大学2年。どんな年になるかまだいろんな意味で不安もありますが、とりあえず健やかに楽しく過ごせたらなと思う年の瀬のこの頃でございます。



次回からは勝手にランキングを仕切り直して更新予定です。今度こそ完結させます()

このページのトップヘ

見出し画像
×