山口由子 ポニーキャニオン時代全シングルレビュー
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1994年4月21日
アイドルとしてのラストシングルから4年の沈黙を破ってリリースされた再デビュー曲。
この時期のガールポップによくある、結婚のために奮闘するOLの応援歌。ぶっちゃけそんなに感情移入できないけどメロディーがいいからまあいいか。曲調に合わせているのかちょっと力んでいる気がせんでもない。
C/Wの「小包」はバラード曲。一人暮らしをする女性目線で親への想いを歌っている。こちらの方が山口本来の歌声の魅力がわかると思う。
★★★☆☆
収録アルバム
恋する女達、小包:1stアルバム「しあわせのみつけかた」
2nd そして毎日あなたを思った
1994年8月19日
1stアルバム1ヶ月前にリリースされた先行シングル。
恋人との思い出を全て過去形で歌っているのが印象的な曲。山口由子の魅力だと思う歌声の訴求力が早くも発揮されている。切ないメロディーと武部聡志による広がりのあるアレンジも相まってかなりの名バラードに仕上がっている。
C/Wの「君にできること」はA面とは打って変わってアップテンポのポップナンバー。歌詞よりも随所で鳴り続けるシンセサイザーの音がやたら耳に残る。1stアルバム「しあわせのみつけかた」にはA面のみの収録で、この曲が入った8cm盤はそこそこ入手困難。私は運よく某よむよむくんオンラインで買えた。
★★★★★
収録アルバム
そして毎日あなたを思った:1stアルバム「しあわせのみつけかた」
君にできること:アルバム未収録
3rd 悲しいほど好きにさせておきながら…
1995年4月21日
1stアルバムを経てリリースされた95年最初のシングル。
社内恋愛をしていた恋人に浮気された女性の心情を歌った曲。普段よりも前面に出たギターが怒りや悲しみを表現しているようだ。
この曲も山口の歌声の訴求力が発揮されていると思う。特にラストのサビは力強く感情的に歌い上げている。でもどこか可愛らしい。私ならもう手を上げちゃってほしいですね🙄
C/W(両A面?)の「今ならもう一度話したい」はポップナンバー。作詞は秋元康。おそらくA面の「ROOMS」タイアップの縁だろう。過去の恋を振り返る歌だけど曲調は明るめ。このギャップが良い。あとこの辺から同時期のZARDっぽさが少し出てきているように思う。
★★★★☆
収録アルバム
悲しいほど好きにさせておきながら…、今ならもう一度話したい:2ndアルバム「COVER GIRL」
4th 未来の扉
1995年10月20日
タイアップに合わせての応援歌。90年代J-POPの王道ど真ん中なアレンジと前向きな歌詞からどこかZARDの「負けないで」を彷彿とさせる曲。サビの「頑張れ溢れ出した涙今勇気に変えて抱き締めた夢ならば迷わずに叶えてゆきたい」という歌詞が好き。この曲を聴けばどんな時も前向きになれる。山口由子で一番好きな曲。
C/Wの「September Rain」はアコースティックバラード。切ないメロディーと昔の恋を振り返る歌詞がベストマッチ。
★★★★★
収録アルバム
未来の扉、September Rain:2ndアルバム「COVER GIRL」
5th SMILE AGAIN
1996年3月21日
三井のリハウスCMソング。次の「太陽と月に背いて」と並んでポニーキャニオン時代の代表曲といえるだろう。
ビーイング系が好きな人ならお馴染みな葉山たけしが編曲を手掛けたポップナンバー。サビのメロディーと歌詞の絡みが心地いい。
Twitterのフォロワーのおすすめでこの曲をYouTubeで聴いてハマったので思い入れが特に深い一曲。
C/Wの「太陽がいっぱい」は全国図書普及協会のCMソング。非常にシンプルな一曲なんだけど独特な存在感がある。「COVER GIRL」ではオープニングを飾っている。
★★★★★
収録アルバム
SMILE AGAIN、太陽がいっぱい:2ndアルバム「COVER GIRL」
6th 太陽と月に背いて
1997年2月5日
ポニーキャニオン時代最後のシングル。アニメ「ハーメルンのバイオリン弾き」EDテーマ。
約1年の沈黙を破ってリリースされた本作はかなり異色の作風。打ち込みを多用したクールさは「COVER GIRL」収録で本作のC/Wにもなった「ジェラシー」を更に進化させた感じ。これはこれで悪くないんだけどやっぱり山口の声には「未来の扉」や「SMILE AGAIN」の路線の方が合っている気がする。この2曲を置き土産に移籍してしまい以降はダンスナンバーとは縁の無いような作風になっていくのでこの2曲は凄まじい浮きっぷりである。
★★★☆☆
収録アルバム
太陽と月に背いて:アルバム未収録
ジェラシー:2ndアルバム「COVER GIRL」
「太陽と月に背いて」から7か月後の97年9月にはマーキュリー(現ユニバーサル)に移籍して全英語詞の「Sing a love song for me」をリリースしてまたも路線変更。そして99年の「believe」ヒットへと向かっていくこととなる。音楽性の変遷において山口由子以上の人を僕はまだ知らない…。